○里親になる為の申請書に必要事項を記入
タランタラン島到着日、レンジャーよりブリーフィングが行われます。ウミガメ保護活動について、カメとの正しい接し方などを教わります。
次に里親になる為の同意書に必要事項を記入します。
これでいよいよレンジャーの仲間入りです。今晩からのレンジャーの一員としての活動の覚悟がみなぎる瞬間です。
その他アンケートもございますので滞在中にご記入下さい。
タランタラン島では夜中よりウミガメ（主にアオウミガメ）が産卵のために上陸します。レンジャーは真っ暗なビーチを一晩中パトロールし、ウミガメを発見すると参加者に知らせます。それまではゲストハウスにて仮眠できます。
○上陸後、砂浜を徘徊し産卵場所を決め穴堀り
前ヒレで体が入る穴を大きく掘り、さらに後ヒレで卵を産み落とす用の小さな穴を掘り、産卵準備が整います。じっくり時間をかけて穴を掘るカメを静かに観察しましょう。（上陸し徘徊しても産卵をせずにそのまま海に戻るウミガメもいます）
○産卵開始
カメの前には立たず後方より観察します。母ガメの荒い息遣いが間近で聞こえる感動の場面です。
一回の産卵で約100個の卵を産み落とします
○産卵後、後ヒレで卵に砂をかけ、掘った穴を埋め戻す
きれいに穴が埋め戻されると、どこに卵を産んだのか分からなくなるのでレンジャーが目印の棒を立てます。その際レンジャーが個体認識を目的に前ヒレにタグをつけ、メジャーでサイズを記録します。
○最後の力を振り絞り母ガメはゆっくりと海へ
体力を消耗し穴から這い上がるだけでも一苦労の様子を観察します。上陸から海に帰るまで約２～３時間もかかる大変な作業なのです。
○卵を掘り起こし数をカウント
産み落とされた卵は想像以上に地中深くにあります。傷つけないように慎重に掘り出し、卵の総数を記録します。※卵は産卵時の衝撃にも耐えられるように柔らかく押すと少しへこみます。
○孵化場へ運び、卵を埋め戻す
孵化場はトカゲなどの外敵から周囲が守られ安全な場所です。孵化場で再度穴を掘り、卵を地中に埋め戻し、産卵ネットで周りを囲い、産卵データを記したプラカードを付けます。
※一連の作業は２時間以内に終えなければなりません。
○夜中から明け方にかけて孵化
卵は約40～60日で孵化するので、レンジャーは常に産卵ネットの中も留意しています。地中から這い出てきた子ガメたちを産卵ネットの中に見つけたら、生きてる子ガメの数を記録しバケツに移します。
環境により残念ながら死んでしまう子ガメもいます。
○できるだけ海の近くへ放流
海までの道のりは子亀たちにとって外敵に襲われる最初の難関です。寝ている子は起こし、海とは反対の砂浜へ行ってしまう子は誘導し、海への旅立ちを助けます。
産まれたばかりの子ガメが波に押し戻されながらも逞しく海へと向かっていく姿には心を打たれます。
※見学する際は子亀にライトを当てないようにご注意下さい。子亀は明かりに向かう習性があるのでライトの方へ集まってしまいます。
○産卵のための理想的なビーチに
ウミガメが産卵するのにビーチの環境は最も重要なポイントの１つです。天気が荒れると海からゴミや流木が流れつくことがあります。
上陸した海ガメや放流した子亀がケガをしないよう、また、将来にわたり安心して産卵ができる場所を保っていけるように、清掃活動にご協力ください。
一頭の母ガメに出会い、その産卵に立ち合って保護した大切な卵の里親となる儀式です。事前にレンジャーに知らせておいた名前が書かれたプレートを受け取り、ネストに取り付けて一連のプログラムは終了します。
里親の皆様へはウミガメがデザインされたユニフォームが渡されます。
レンジャーと共にこの活動に参加したこの日々が一生の思い出になる瞬間です。自分で名前をつけた卵を親のような気持ちで見守る。そしてその卵から産まれた子ガメたちが大海へ旅立ち、タランタラン島へ再び戻って来られるようにと願う、命の連鎖に立ち会うプログラムです。
当プログラムの参加ツアー代金には本活動の運営費や養育費が含まれています。
皆様からいただいたこの貴重な養育費が支えとなり、自国に戻られてもレンジャーが卵を大切に守り、孵化した子亀が海へ旅立つまで見届けてくれます。
45~60日で孵化した子亀が海へと旅立つ日、里親になった皆様のもとにその知らせがメールで届きます。
あの日のタランタラン島での記憶を鮮明に思い返させてくれることでしょう。
